(2008年10月御茶ノ水)
今回は気になった本から引用をしてみます。
その「本」とは、マドンナの「SEX」(1992年同朋舎出版)という写真集です。
この写真集は一見とても暴力的なセックスシーンやSAFERでないセックスが載っています。
でも、冒頭にはこんな風にあるんです。
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この本のテーマはセックス。
セックスは愛ではないし、愛もセックスではない。
でも、どちらもひとつに解け合ったときが最高の状態。
私たちは神を愛することも、地球を愛することも、人類を愛することもできる。
相手が何であろうと、愛することができる。
でも、人間が愛を表現する最高の手段は、お互いが愛し合うこと。
そうやって、私たちは宇宙にまで愛を広げていく。
ひとりひとりが伝えていく。
愛とは私たちがつくり、そして、伝えていくもの。
この本は、危険なセックスを認めているわけではない。
ここにおさめられているのは、私の想像の世界。
とりとめのないことをぼんやりと考えたり、ぐったりと頭も体もリラックスしているとき、私はいちいちコンドームのことを考えたりしない。
人間なら誰だってそうだろう。
私の想像の世界は、私のつごうのいいようにできている。
だから、エイズの心配もない。
残念なことに、現実の世界はそうはいかない。
コンドームは必要だし、ひとりひとりに課せられた義務でもある。
あなたがこれから見たり、読んだりすることは、すべて想像の世界であり、夢であり、一種の「ごっこ」だ。
でも、もし、夢の世界を実際にためすことになったら、私は間違いなくコンドームを使う。
安全なセックスをすると言うことは命を守ること。
覚えていてほしい。
それから、この本に登場する人物や出来事が何かに似ていたり、実名や実際に起こった出来事が書かれていても、それはすべて、たまたまそうなってしまったということだ。
この本に、「本当のこと」は一つも書かれていない。
ぜんぶ私のつくりごとだ。
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この文章に魅かれてしまいました。
「コンドームをつけることが義務」と言うのは、私には賛成しかねるし、ふしぶしうーんってなってしまうところもあるのですが、 でも、 マドンナなりに「愛」をセックスから考えていて、 その態度がとても誠実な気がしたんです。
「私の作りごと」である世界と、自分とは違う他人がいるいわゆる「現実の世界」。
どちらにに対峙するかで、自分の態度を変えようとするあたりも素敵だなって思ったし、 じぶんの「夢」「作りごと」を「夢」として追求しようとすることもなんだか潔い気がしました。
なにより嘘っぽくなくて、快くその「夢」を聞いてみたくなりました。
現実の世界って、誰か自分とは違う他人がいるからこそ、他人に配慮すべきだと思います。
自分の夢を守ることも大切だけど、「現実の世界」を豊かにすることも私は大切であってほしいなって思います。
この手のいわゆるヌード写真集はそういった「夢」と「現実」についての区別を断ることが少ない気がするんですが、 マドンナは冒頭で彼女なりの「愛」を語ることによってどちらの大切さも語ろうとしている気がします。
なんだかクールなきがするのは私だけかしら??
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