2008年6月11日水曜日

私の好きな人


坂口安吾が好きです。
彼の言うことは、とても優しい気がします。

特に「私は海を抱きしめていたい」はとても好きです。
彼女のことを愛しているけれど、
それは彼女の肉体を愛しているのか、
じろりとした目を愛しているのか
いやらしさを愛しているのか、
そのものを愛しているのか。

本当は彼女の肉体を超えて、
海の波が人を飲み込むように彼女を包み込みたい。
そういっているようで、
傲慢でなく、
強がってもなく、
こうあらねばならないという誰かからの押し付けからも自由な主張が、
優しい気がします。

私が思う優しさとは、 人が社会の中で生きていくうえで、
「私」と「他の人」という枠組みを超えて、
世界を受け入れようとする思いにちかいと考えています。


「私はなべて所有を欲しなかった。
魂の限定されることを欲しなかったからだ。」
(「風邪と光と二十の私と」)

0 件のコメント: