「僕は今ネバーランドに来ています。
このネバーランドの住民は、ピーターパンのようなコドモの心を持って生きています。
みんな単純なアクション映画に大興奮し、オトナが『くだらない』と思うようなコメディー番組に腹を抱えて笑い転げています。
そして、怒ったら熱くなってけんかして、悲しかったら大声で泣いて、仲直りしたら抱き合って、うれしいときは本当に顔をくしゃくしゃにして笑って、なんかすごく自分に素直に生きているんです。
そんなストレートで熱い感情表現に出逢って、はじめはかなりショックでした。
だって自分は今まで感情を抑えて人に見せないようにしてきたし、それがオトナでかっこいいことだとずっと思ってきたんだから。
でも、ここではみんな素のまま表現しているんです(それが自然だから「表現する」なんて意識もないだろうけどね)。
ここは大地だけでなく、人間まで自然に溢れているんです。
昨日は『キリストの奇跡』というイベントを見に行ってきました。
カンパラの国立競技場に設置されたステージの上で白人の宣教師が奇跡を次々と起こしていくんだけど、本当にビックリしました。
だって、車椅子の人を立って歩けるようにしたり、聞こえなかった耳を聞こえるように治したり、そんなことを大マジメな顔でやっていくんだから。
しかもそんな『奇跡』がおこる度に、競技場を埋め尽くす観客は、感性を上げ、泣き、踊り、もう大騒ぎ。
日本じゃ奨学生にも『やらせでしょ』で一蹴されてしまいそうなショーなのに、彼らは見たものを見ままに信じているんです。
彼らは日本の奨学生より純粋なコドモ心を持っているんです。
でも、そんなネバーランドにも外からオトナたちが入ってきます。
そして『ちゃんと時間は守りましょう』『お金は計画的に使わないといけません』『子どもは学校に行って勉強しましょう』と、オトナになるための教育をしようとします。
そんな国連やNGOのオトナたちは、『彼らのためを思ってやているのに、何でわかってくれないのか』と口をそろえて嘆くし、逆にネバーランドの住民たちは『オトナたちには僕らの気持ちなんかわからないんだよ』とよく呟いています。
僕らが小さい頃にやった親や先生とのやり取りと、まったく同じモノがここにはあるんです。
まあそんなオトナたちの努力のお陰で、そのうちこのネバーランドの住民たちも立派なオトナに育っていって、このネバーランドももうすぐ世界から消えちゃうんだろうけど・・・・。
今はまだピーターパンが笑いながら踊りまわっています。
僕は今そんなネバーランドに来ているんです。」
(『流学日記』岩本悠より)このネバーランドの住民は、ピーターパンのようなコドモの心を持って生きています。
みんな単純なアクション映画に大興奮し、オトナが『くだらない』と思うようなコメディー番組に腹を抱えて笑い転げています。
そして、怒ったら熱くなってけんかして、悲しかったら大声で泣いて、仲直りしたら抱き合って、うれしいときは本当に顔をくしゃくしゃにして笑って、なんかすごく自分に素直に生きているんです。
そんなストレートで熱い感情表現に出逢って、はじめはかなりショックでした。
だって自分は今まで感情を抑えて人に見せないようにしてきたし、それがオトナでかっこいいことだとずっと思ってきたんだから。
でも、ここではみんな素のまま表現しているんです(それが自然だから「表現する」なんて意識もないだろうけどね)。
ここは大地だけでなく、人間まで自然に溢れているんです。
昨日は『キリストの奇跡』というイベントを見に行ってきました。
カンパラの国立競技場に設置されたステージの上で白人の宣教師が奇跡を次々と起こしていくんだけど、本当にビックリしました。
だって、車椅子の人を立って歩けるようにしたり、聞こえなかった耳を聞こえるように治したり、そんなことを大マジメな顔でやっていくんだから。
しかもそんな『奇跡』がおこる度に、競技場を埋め尽くす観客は、感性を上げ、泣き、踊り、もう大騒ぎ。
日本じゃ奨学生にも『やらせでしょ』で一蹴されてしまいそうなショーなのに、彼らは見たものを見ままに信じているんです。
彼らは日本の奨学生より純粋なコドモ心を持っているんです。
でも、そんなネバーランドにも外からオトナたちが入ってきます。
そして『ちゃんと時間は守りましょう』『お金は計画的に使わないといけません』『子どもは学校に行って勉強しましょう』と、オトナになるための教育をしようとします。
そんな国連やNGOのオトナたちは、『彼らのためを思ってやているのに、何でわかってくれないのか』と口をそろえて嘆くし、逆にネバーランドの住民たちは『オトナたちには僕らの気持ちなんかわからないんだよ』とよく呟いています。
僕らが小さい頃にやった親や先生とのやり取りと、まったく同じモノがここにはあるんです。
まあそんなオトナたちの努力のお陰で、そのうちこのネバーランドの住民たちも立派なオトナに育っていって、このネバーランドももうすぐ世界から消えちゃうんだろうけど・・・・。
今はまだピーターパンが笑いながら踊りまわっています。
僕は今そんなネバーランドに来ているんです。」
28日にTICAD(アフリカ開発会議)が閉会しました。
上の文章は最近友達から貸してもらった本のエッセイの一つ。
著者がアフリカで書いた文章です。
なんだか気にいっているから、アフリカがらみで載せました。
(2006年9月ケニア)
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